清原和博さん、指導者の道へ 息子2人がつないでくれた

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構成・榊原一生
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 今年2月、139人が高校生や大学生を指導するために必要な学生野球資格を回復した。西武や巨人などで活躍し、プロ通算525本塁打を放った清原和博さん(53)もその一人。日本学生野球協会のガイドラインにより、すぐに監督やコーチになることはできないが、指導者の道を歩み始めた今の思いを聞いた。

 ――つい先ほどまで、この室内練習場で打撃練習する小学生をケージ裏から見つめ、声をかけていました。

 「バットを振る場所に来るとやっぱり心が洗われます。この室内練習場では小学生だけでなく中学生たちも、高校野球の聖地である『甲子園』を夢見て頑張っている。野球を始めた子どもたちの最初の夢って甲子園じゃないですか。自分が一助となってその夢をつかんでくれたらうれしいなと」

息子との縁、野球がつないだ

 ――2月、学生を指導するために必要な資格を回復しました。

 「一番のきっかけは2人の息子たちです。次男は中学時代に全国大会を制し、この春には高校生になります。長男は高校ではアメリカンフットボール部でしたが、大学では野球部に入ることを決めました。野球経験者と張り合うことになります。2人にとっては大きなチャレンジです。でも、僕にとってこんなうれしいことはないですね」

学生野球資格

日本学生野球憲章では学生野球は教育の一環であり、商業的に利用されてはならないなどの理由から、プロ野球選手や関係者、憲章に違反した者は学生野球資格を失い、学生野球の部員、指導者、団体役員などになれないと定めている。2013年から元プロ野球関係者を対象にした資格回復研修がスタートし、研修を受けて審査に通れば、教員でなくても、高校生や大学生の指導に携われるようになった。

 「覚醒剤取締法違反容疑で逮捕された時、野球をやってきたことすら後悔しました。それから1、2年は野球を見ることはなく、息子にも会えなかった。でも、今は2人とつながりが持てている。野球がつないでくれたんです。今では選抜大会なども見ながら高校野球のレベルがどのくらいか、開幕したプロ野球でも選手の能力や打撃技術などを自分なりに分析し、手帳にまとめています。息子たちだけではなく、甲子園を目標に励む子どもたちにも恩返しができたらと考えています」

 ――プロ、アマ問わず指導者になることは現役時代から考えていたのですか?

 「チャンスがあれば、とは思っていました。監督やコーチになりたい、と思ってもこればっかりはオファーがないと。タイミングというのもあります。ただ、大阪・PL学園高時代には2度全国制覇し、プロ野球でも西武、巨人、オリックスの3球団で23年やらせてもらった。そうした自分の経験が役に立つのであれば、子どもたちに教えるだけでなくて、子どもを指導する指導者たちにも教えたいという気持ちはありました。僕の野球人生は指導者に恵まれてきたので」

指導者の道を歩み始めた元プロ野球選手の清原和博さん。「子どもたちに恩返しができたら」と思いを語りました。記事後半では入れ墨を除去した理由やこれからの生き方について聞きました。

「球道即人道」の精神

 ――指導者に恵まれた、とはどういうことですか?

 「自分は幼い頃から人より体…

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