甲子園地元高校の録音演奏 曲選びにこめた思いと工夫

大坂尚子
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 「狙いうち」や「タッチ」「紅(くれない)」――。高校野球でおなじみの応援曲が、甲子園のアルプス席から聞こえている。

 今大会は、新型コロナウイルス対策で「飛沫(ひまつ)が拡散する可能性がある」ブラスバンド演奏や声を出しての応援が禁じられた。

 代わりに、事前録音したブラスバンド演奏10曲が球場のスピーカーから流れ、それに合わせて控え部員らが太鼓やメガホンをたたいている。

 音源は自校の吹奏楽部のものだけではない。録音が間に合わなかった出場校には、沖縄勢への友情応援が多い市尼崎(兵庫)吹奏楽部の協力で、「定番」の曲が準備された。

 曲の選定にあたった日本高校野球連盟の担当者は「自校の応援で普段は使わない曲も出てくると思う。それでもこれなら聞いたことがあると、多くの人が知っている曲を選んだ」。

 曲選びにはちょっとした思いや工夫も込められている。東日本大震災から10年になることから、東北にゆかりのあるNHK連続テレビ小説「あまちゃん」のオープニングテーマを入れた。沖縄らしい曲の中から沖縄勢以外でも使いやすいと思われる「島唄」も。10曲ずつ2種類のCDができあがった。

 市尼崎の録音曲を使っているのは北海、八戸西、柴田、敦賀気比、京都国際、広島新庄、下関国際、明徳義塾、福岡大大濠、宮崎商、具志川商の11校。

 音源を流しているのは球場の音響担当だ。出場校の希望に沿って、打順かイニングごとに曲を流している。第1日はアルプス席のスピーカーのみを使用していたが、第2日からは内野席のものも加えた。より応援が大きく聞こえるようになり、臨場感が増した。

 常総学院(茨城)の田辺広大主将は1回戦後に「録音でも、本当に力になったのでありがたい」。本来の姿とはいかないが、選手たちを後押ししている。(大坂尚子)

市尼崎が演奏した応援曲

CD①

島唄、狙いうち、キャッツアイ、宇宙戦艦ヤマト、TRAIN―TRAIN、ルパンⅢ世、ポパイ、暴れん坊将軍、We Will Rock You、さくらんぼ

CD②

夢をあきらめないで、鉄腕アトム、必殺仕事人、タッチ、紅、ヤングマン、ドラゴンボール、情熱大陸、キセキ、あまちゃんのテーマ