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 【山梨】新型コロナウイルスワクチンの高齢者向け接種に向け、県内の自治体がシミュレーションを行い、課題の洗い出しに取り組んでいる。参加した住民からは「心の準備ができた」と評価する声がある一方で、接種日が確定しないことへの不満も聞こえてくる。

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 28日にシミュレーションをしたのは、4月中旬、他市に先駆けて接種が始まる予定の甲斐、甲府の2市。実際に使用する会場で、受付から予診、接種、経過観察までの流れを検証した。

 甲府市ではワクチンを保管する保健所の隣にある旧相生小学校体育館が会場となる。1時間で60人に接種する想定で、医師4人を含め約30人を配置した。

 この日の被接種者役は地元住民を含む約60人。肩に注射するため服の着脱に時間がかかるケースもあった。古屋好美保健所長は「どこに時間がかかるかが分かったので、改善をしていきたい」と話した。

 参加した70代の女性は「本当に接種をするのかと間違えそうになった。これで安心して接種できる」とほっとした表情を見せた。

 甲斐市の会場は、2階建ての竜王保健福祉センター。接種運営に協力してもらう民生委員約50人を被接種者役としてシミュレーションした。医師4人を含めた約50人を配置し、1時間で約80人に「接種」。滞留する場所などを確認した。

 健康増進課の長田清美課長は「かかりつけ医と相談して予診票を事前に書いてもらうことも大事。周知していきたい」と語った。

 15日からモデル接種が始まるが対象者は全体の5%ほどで確定していない。参加者からは「持病もあるので早く打ちたい」「実際にいつ打てるのか知りたい」との声が上がった。

 一方、山間部で巡回接種を検討している山梨市では、26日にシミュレーションを実施。改造した救急車で接種を始めたが、「密」になることが分かり途中で公民館での接種に切り替えた。担当者は「マンパワーをどう確保していくのかも課題」と話す。参加した住民は「いつまで待てばいいのか……」と漏らした。(永沼仁)