人集うカフェを展開 香川大の直島活性化プロジェクト

木下広大
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 瀬戸内海に浮かぶアートの島、直島(香川県直島町)で3月上旬、町並みを見下ろせる高台に大学生がスコップを突き立てた。穴を掘り、桜の幼木2本を植えた。もともとは島の人が集う広場だったが、最近は枯れ木が増えて来る人が少なくなっていた。

 学生は香川大学の「直島地域活性化プロジェクト」のメンバー。経済学部や教育学部など1~4年生約70人が所属している。高台の近くには学生が運営するカフェがあり、雑草を除いて桜を植え、再び人が集まる広場を目指している。

 16年前、まだ島には飲食店が少なかった。経済学部の古川尚幸教授(52)が直島を訪れた際、住民から「せっかく観光客が来ても休憩したり、お土産を買ったりする場所がない」と聞いたのがきっかけだった。

 当時のゼミ生に島の人の悩みを伝えると、「自分たちで何かできないか」とカフェをつくる話が持ち上がった。当初のメンバーは数人だったが、他のゼミの学生らも加わり、観光客がくつろげる場所を作ろうと、2006年に地元食材を提供するカフェをオープンさせた。

 築70年ほどの古民家を島の住民に貸してもらい、座敷を客席として使った。空腹でおなかが鳴る音などになぞらえ、「和カフェぐぅ」と名づけた。

 メニューは直島産ののりを使ったどんぶりをメインに、季節ごとに限定のデザートも考案。多い日には、200人ほどの来客があるという。

 カフェの他にも、島の観光ボランティアガイドをしたり、島の小学生と豆腐を作ったり。カフェの利益は、学生のフェリー代やボランティアの経費に充てているという。

 2010年から始まった瀬戸内国際芸術祭などを契機に、島に多くの観光客が訪れるようになり、飲食店や休憩スポットも増えた。今年度は新型コロナウイルスの影響で断続的に休業。思うように活動はできなかったが、桜の植樹や新しい島の観光ツアーの準備などを進めた。

 代表の江口舞香さん(20)は「人の温かさや、古い町並みが残っているのは、島ならではの良さだと思う。ただ島には高齢化などの問題もあるので、何が地域活性化につながるのか考え続けていきたい」と話している。

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 「キャンパス探訪」は今回で終わります。(木下広大)

 和カフェぐぅ 4月から営業再開を予定。メニューは直島産のりを使った「直島☆のりのり丼」(税込み900円)など。直島町836番地。営業は土・日・祝日の午前11時~午後5時半。予約・問い合わせは、メール(wa_cafe_goo@yahoo.co.jpメールする)で受け付けている。