104歳の聖火ランナー、雨の中歩き抜く 沿道から拍手

根岸敦生、津布楽洋一、平賀拓史
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 【栃木】コロナ禍で1年延期された東京五輪聖火リレーが28日、足利市の市総合運動公園陸上競技場からスタートした。2日間で192人が16市町をめぐる。断続的に雨が降るあいにくの天気となったが、沿道には多くの県民が駆けつけた。

 スタートの足利市では史跡足利学校の門前や鑁阿寺(ばんなじ)を経由し、本堂前で聖火の引き継ぎがあった。境内には足利銘仙の着物姿の女子高生や鎧(よろい)武者に扮した足利大留学生らが登場。ご当地八木節の保存会が演奏する中を通り過ぎていった。

 鎧武者を務めたセネガルからの留学生マリオ・バジッソさん(28)は「めっちゃ緊張しました。走り終えてホッとしています」と誇らしげだった。

 1964年の東京五輪で聖火が栃木県庁を出発した日に生まれた本田五輪子(いりこ)さん(56)は沿道の観衆に手を振りながら走った。「名前のおかげで聖火ランナーに選んでいただいた。みなさんが大変なご苦労をされてこの日を迎えることができた」と感謝を述べた。

 栃木市は伝統的建造物群保存地区の嘉右永門町からスタートした。巴波(うずま)川沿いを進み、蔵の街遊覧船に聖火を乗せて川を上り下りした。栃木市出身のタレント石川恋さんが遊覧船の上で聖火をかかげて進んだ。

 那須烏山市では県内最高齢ランナーの箱石シツイさん(104)が午後8時前にスタート。大粒の雨が降る中、ライトに照らされた道をゆっくり手を振りながら歩き、沿道から大きな拍手が起こった。初日のラストランナーは北京五輪女子1万メートルに出場した渋井陽子さん(42)。JR烏山駅前にゴールした。

 大会組織委員会などは密集が避けられない場合、リレー中止も検討すると本番にのぞんだが、各地で観衆が密集した。

 小山市のコース沿道にはランナー到着の1時間以上前から多くの観衆が集まった。スタッフは「左右を空けてください」と呼びかけたが、歩道いっぱいに人が集まった場所もあった。

 栃木市の岸辺では聖火を見ようと多くの観衆が集まり、主催者側が「密集密接を避けて」という呼びかけにも、人ごみが減ることはなかった。

 ランナーの一人は「(密集が解消されないところは飛ばす)スキップされたら、と思った」と心配したという。幸い、スキップには至らず、別のランナーは「距離を取って制限のある中で楽しもうとしていた」と話した。

 2日目の29日は那須町を午前9時に出発し、ゴールの県庁をめざす。根岸敦生、津布楽洋一、平賀拓史)