新年度こそ「ビジネス英語」をものにしよう。こう考えている人も多いのでは。でも本来、ビジネスに使う英語は業種によって様々なはず。どうするのが、近道なのでしょうか。
杉田敏さん 「信頼は雑談から。恥をかいた分だけ上達」
NHKラジオで「ビジネス英語」の講座を通算32年半担当しました。でも「ビジネス英語」という分類の言語があるわけではありません。あらゆるものが何らかの形でビジネスに関係するからです。
私はビジネス英語講座の究極の目的を「英語で雑談できる力」の習得と考えています。ランチで同僚と雑談しながら、今日的なトピックスについて意見交換する。これが実はすごく難しい。なにが話題になるかわかりません。専門用語を使えば、商談はできるでしょう。でも、それだけでは仕事は広がらないし、信頼できるビジネスパートナーとは認められません。
ニューヨーク駐在の日本人の話ですが、ある時ふと気づくと、フロアに自分しかいなかったそうです。その日は2001年9月11日。同時多発テロで同僚は全員避難したのに、誰も彼に声をかけなかった。彼はランチは一人で、夕食も駐在員仲間ととり、仕事以外の人間関係をつくらなかったのです。「大ショックだった」と話していました。
向こうでは、週末はボランティアをしているとか、ときには天下国家についての話とかをしないと、いっぱしのビジネスパーソンとは扱われません。そんな話は飯を食べている時に出るものです。
番組のリスナーから「経済用語がもっとバシバシ飛び交うのを期待していた」といわれたこともあります。でも、様々なビジネスで共通に使える専門用語はありません。個々の仕事に必要な用語は自分で覚えるしかないのです。
記事の中盤では、通訳や翻訳の経験がある立教大教授・武田珂代子さんが、ビジネスの現場では「ストレートな表現が大切」と語ります。最後は、外資系企業を渡り歩いたハロルド・ジョージ・メイさんに、英語力だけではない、世界で通用するビジネスパーソンになるポイントを教えてもらいました。
それより相手と親しい関係を…