黒田緩和の8年「正しかった」 物価上昇率2%への信念

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聞き手 東京本社経済部長・多賀谷克彦
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 日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁の就任から8年が経過した。「アベノミクス」の当事者となり、過去最大規模の金融緩和を続けてきたが、いまも物価上昇率2%の目標は達成できていない。最近は長年の緩和に伴う「副作用」も目立っている。コロナ下の日本において中央銀行が果たすべき役割とは何なのか、を聞いた。

 ――新型コロナウイルスの感染拡大が続いていますが、日本経済の先行きをどう見ていますか。

 「国内総生産(GDP)は昨年の4~6月期に前年比マイナス10%ほどに落ち込みましたが、その後の2四半期はプラス成長です。昨年10~12月期は2019年平均から2~3%下回る水準まで回復し、企業収益は感染症の拡大前後のレベルまで戻りました。製造業の生産が回復し、輸出はコロナ前を超えています。今年に入り、飲食や宿泊などの対面型サービスが感染再拡大の影響を受けていますが、外需の回復や緩和的な金融環境、政府の経済対策もあり、今後は改善基調をたどると考えます」

 「米英でワクチン接種がかなり進んでいることは、世界的な感染症の収束にプラスの影響があると思います。ただ、接種のスピードには先進国の中でも差があるほか、途上国はかなり遅れており、まだまだ注意が必要です」

 ――コロナ下における中央銀行の役割についてどう考えますか。

 「まずは、企業の資金繰り支援と金融市場の安定化を続けることで経済を支えるのが我々の役割です。同時に、日本全体で、危機を乗り越えた先のポストコロナについて考えるべき課題があるのも事実です。人口減や高齢化に対応する資本の蓄積やイノベーションを促さなくてはなりませんし、デジタル化や気候変動への対応など新たなチャレンジもあります。様々な経済主体の変革への動きを、日銀は緩和的な金融状況を提供してサポートしていきます」

 ――気候変動は、金融機関にも大きな影響を与えそうです。

 「気候変動リスクにどう対応…

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