つながる因縁、神戸と福島 被災地見守る「三春滝桜」

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井手さゆり
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桜ものがたり2021

 神戸市長田区に住む画家の池内悦子さん(75)は、26年前の1月17日、激しい揺れで跳び起きた。息子の名前を何度も叫んだ。母は倒れたタンスの下敷きになり骨を折った。外に出ると家はゆがみ、隣家にもたれかかっていた。炎が街を焼き、煙で昼間も薄暗く、夜には避難所の窓を赤く照らした。家も画材も全て無くし、生活は一変した。

 再建した自宅の斜め前に咲く花に気がついたのは数年後だった。樹齢千年といわれる「三春滝桜(みはるたきざくら)」の苗木だった。震災当時、同区の支援に入った福島県三春町の人たちから復興への願いを込めて贈られたものだという。年々枝を広げ、歩道にせり出すようにして咲くようになった。毎年、楽しみにしていた。

 そして10年前、桜の季節を…

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