第2回息子よ、なぜ散っていった 父は「英雄」の文字を隠した

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高野遼 エルサレム=高野遼
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青春と愛国とロケット弾 パレスチナを生きる  グラフィック・伊坂美友
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青春と愛国とロケット弾②

 パレスチナで取材をしていると「殉教者」という言葉によく出合う。主にイスラエルへの抵抗運動で亡くなった人を指す。周囲から英雄として悼まれる存在だ。

 ある取材では、こんなことも言われた。「日本にも素晴らしい文化があるだろう? カミカゼだ」

 思わず言葉を失うが、旧日本軍特攻隊について、肯定的に理解している人が少なくない。

獄中にいたパパは精子を菓子袋に…そして僕は生まれた

自力ではあらがえない紛争のど真ん中で生まれ、何を感じて大人になっていくのか――。パレスチナの未来を担う若者たちの現実に迫る。

 パレスチナイスラエルの間には、圧倒的な戦力差がある。イスラエルに刃を向けるパレスチナの若者の多くは、その場で射殺されて一生を終える。

 確かに「特攻」と呼べるのかもしれない。だが、それを手放しで称賛してよいのだろうか――。

 彼もそうして散っていった若者の一人だった。マフムード・オマルさん(17)。翌年に大学受験を控える高校生だった。

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生前、笑顔で写真にうつるマフムードさん=遺族提供

 昨年12月21日夜、スマホ

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