住居追われる原発避難者 支援終了、退去迫り親族に文書

有料会員記事

浜田奈美
[PR]

 東京電力福島第一原発事故の影響が長引く中、福島県の県外避難者は、いまも全国に約2万8千人いる。その約半数は「自主避難者」だ。東日本大震災から10年が過ぎ、国や県の支援が打ち切られる中、何とか自立した避難者もいれば、自立が難しい中で住まいを追われる人もいる。

 楢葉町から東京都内に避難した女性(68)は、年金と、自分の蓄えなどを取り崩して生活している。国の避難指示を受けて、親戚を頼りに避難し、災害救助法に基づく応急仮設住宅への入居も考えた。だが、ともに避難した母(95)の通院を最優先し、民間賃貸住宅を借りた。

 10年前、不動産屋を訪れた時の衝撃は今も忘れない。「避難者だと説明したら『通帳残高を確認させて』と。自分はホームレス同然なんだって」

 町への避難指示は2015年秋に解除されたが、東京に残ると決めた。原発事故処理をめぐる国の対応に不信感しかない。「国ってでたらめなものなんだと、痛感した10年でした」

住宅支援打ち切り 家賃2倍に

 一方で、住まいを追われる避難者もいる。その多くは、国の避難指示区域外からの自主避難者だ。

 事故後、避難指示区域内の避難者には、東京電力から月10万円の精神的慰謝料などが支払われた。しかし自主避難者にはわずかな一時金が支払われた程度。避難生活の足場となる住宅支援も段階的に打ち切られ、自主避難者への無償提供は17年3月末で終了した。

 仮設住宅として避難者が住む国家公務員宿舎も、無償提供が打ち切られた。福島県は緩和策として、家賃を支払えば2年間は住むことを認めたが、19年4月以降は、転居に向けた支援をしつつ2倍の家賃を請求するなどして、避難者たちに退去を求めてきた。

 そして昨年末。「国家公務員宿舎に入居されている御親族に関する御協力について」という文書が、福島県から一部の避難者の親族に届いた。こう続く。

 「御親族が自主的に転居され…

この記事は有料会員記事です。残り1239文字有料会員になると続きをお読みいただけます。