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血や尿でコロナ重症化を判定 島津と熊本大が技術開発

野中良祐
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 島津製作所京都市)は29日、新型コロナウイルスに感染した人の血や尿から、感染の有無や重症化の程度を10分程度で判定できる技術を開発したと発表した。6月から大学病院や検査会社などに検出システムの販売を始める予定だ。

 熊本大(熊本市)や分析機器メーカー「アイスティサイエンス」(和歌山市)と共同開発した。現在感染の有無を調べるのによく使われるPCR検査では、のどの奥をぬぐった液や唾液(だえき)を調べる。これらにはウイルスが含まれ、感染リスクを伴うが、血や尿にはウイルスがほぼ含まれないとされ、安全性も高いという。

 熊本大の永芳友(ゆう)医師(分子生理学)によると、新型コロナウイルスが増えるとき、遺伝情報を伝える物質(RNA)の破片が大量につくられる。破片は感染した人の血中を漂い、尿を通じて排出される。

 破片は特徴的な構造をしており、血や尿に含まれる破片を検出することで、ウイルス感染を判定できる。熊本大が感染した患者200人を調べたところ、感染の有無の判定だけでなく、破片の量と重症度に相関がみられたため、重症化の判定にも有用だという。

 破片の検出には島津の分析機を用いる。研究段階ではサンプル1人分の検出に必要な作業に1時間以上かかっていたため、島津はアイスティ社と協力し、作業を自動化できるシステムを開発。10分程度に短縮した。

 島津の向紀雄・ライフサイエンス事業統括部長は「命を救う技術として広げていきたい」と話している。野中良祐