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ルネサス火災、被害は想定の倍 生産回復は大幅に遅れか

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鈴木康朗
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 半導体大手ルネサスエレクトロニクスの那珂工場(茨城県ひたちなか市)の火災で、使えなくなった半導体製造装置が当初発表の倍となる20台以上におよぶことが29日わかった。火災によるすすやガスで装置の一部が腐食していたことが判明。同社は、被害を受けた装置は11台としていた。生産能力が以前の水準に戻る時期も目標とする「1カ月以内」から大幅に遅れる公算が大きい。

 ルネサスは21日に記者会見を開き、19日に火災があった生産棟内の全装置の2%にあたる11台が焼損したと発表していた。その後、装置メーカーなどと調査したところ他にも稼働できない装置が複数あると判明。修理や代替品への入れ替えが必要な装置は20台以上にのぼる。調査は続いており、被害が広がる恐れもある。

 ルネサスは装置の代替品を中古市場で探すなどしている。ただ世界的に半導体生産が好調で「市場に出回る中古装置の数は少ない」(大手リース会社)。柴田英利社長は21日の会見で「1カ月以内での生産再開にたどり着きたい」とし、同時期に生産能力を火災前の水準に戻すことも「ターゲット」と述べていた。だが、現状では生産態勢の回復が遅れるのは必至だ。

 台湾の民間調査会社トレンドフォースは、精密な工程を担うクリーンルームの復旧や製造装置の入れ替えに時間がかかると指摘。元の生産能力に戻るのに「控えめに見積もって3カ月はかかる」との見方を示す。火災があった生産棟では、自動車向けの半導体を主に生産していた。完全復旧がずれ込めば、自動車メーカーの生産計画に与える影響も大きくなる。

 ルネサスは「1カ月以内に生産再開するという目標は変えていない」(広報)。30日に記者会見を開き、復旧の進み具合などを公表する。(鈴木康朗)

ルネサスエレクトロニクス那…

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