精神的・性的被害もDV通報対象に 防止法の改正を提言

小野太郎
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 DV(家庭内暴力)対策をめぐり、身体的暴力から精神的・性的なものにも対象を拡大すべきだ――。内閣府の「女性に対する暴力に関する専門調査会」がこのような報告書をまとめた。政府は今後、有識者の意見を聞きつつ、DV防止法の改正を視野に検討を進める方針だ。

 DV防止法は、被害の発見者に対し、支援センターや警察に通報する努力を求めているが、条文上の通報対象は「身体に対する暴力」に限られている。同法に基づき、裁判所が配偶者によるつきまとい禁止や住居からの退去を命じる保護命令も、「身体に対する暴力または生命等に対する脅迫」とされている。

 調査会の報告書は、身体的暴力ばかりでなく、暴言や無視などの精神的暴力や、避妊の拒否や中絶の強要といった性的暴力を問題視し、通報や保護命令の対象とすべきだと結論付けた。「被害者に与えるダメージは身体的な暴力と変わるものではなく、むしろ持続することによって回復をより困難にさせる」と指摘した。

 DV防止法は2001年に制定されたが、プライバシー保持の観点から公的機関の介入を最小限にするため、通報などの対象を身体的暴力に限定したという。(小野太郎)