東北大相撲部からボクシング新人王に 異例の転身はなぜ

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伊藤雅哉
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スポーツ好奇心

 プロボクシングで異色の新人王が誕生した。大阪市井岡弘樹ジム所属の中田勝浩(29)は東北大相撲部出身の経歴を持つ。2月、東京であった全日本新人王決定戦のミドル級(約72・6キロ以下)を制した。なぜ大きさ、重さがモノを言う土俵から、減量を強いられるリングに移ったのか。伊藤雅哉

 「ガッ!」「ガッ!」。トレーナーのミットに、声を上げながら打ち込んでいく。中田の右強打を近くで見て「恐ろしい」と感じた。3月中旬、ジムを訪れ、同じリングに立って写真を撮った。身長185センチ、普段で体重80キロ弱の大きな体が迫ってくるようだ。

 戦績6戦全勝(4KO)。序盤は相手に打たせ、右一発で形勢逆転した試合もある。元世界2階級王者の井岡弘樹会長(52)は「パンチ力は群を抜いている。世界ランカー級」と言う。

 中田は新人王戦でも異彩を放っていた。はやりの華美なトランクスは履かず、地味な市販品でリングに上がる。試合中も表情は変わらない。「緊張はしますけど顔に出ないんですよ」。求道者のような雰囲気がある。

 大阪市出身。桃山学院高時代は柔道部だったが、勉強に比重を置き、東大を志望していた。最終的に3浪して東北大法学部に進んだ。入学後、すぐに相撲経験者の友人ができ、相撲部へ入った。体重は70キロほどしかなかった。

 東北大相撲部は脚本家内館牧子さん(72)が総監督を務めることでも知られる。個人戦では75キロ級があったが、体重制限のない団体戦にも出た。「今より細くて腹筋も割れてて。体重を増やそうとはしましたけど」。食べても食べても80キロが限界。周りを見て「自分はそんなに食に興味がないんや」と気づき、相撲から心が離れた。

 2年になると相撲部と並行し…

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