東大合格、横浜翠嵐で急増 「優秀な学年」誕生の裏語る

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松沢奈々子
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 今春の東大入試で、神奈川県立横浜翠嵐高校(横浜市神奈川区)からの合格者が急増した。合格者(浪人含む)は同校史上最多の計50人で、26人だった昨年のほぼ倍。うち現役合格者は44人で、昨年(15人)の約3倍になった。背景に何があったのか。

鬼滅の刃」全巻読破したら…

 「現役生は最後まで伸びると言われるけど本当。あきらめないで」「東大の試験問題は浅い理解では解けない。本質を学ぼう」「睡眠時間はちゃんと確保して」――。3月23日午前、横浜翠嵐高校。各教室のモニターに、東大など難関大に合格した卒業生11人のビデオメッセージが流れた。在校生対象の「合格者講話」だ。

 東大に合格した男子生徒は昨夏、大ヒット漫画「鬼滅の刃」にはまったエピソードを披露。「読みたい、でも読んだら落ちるかも、と葛藤した。悩む時間が無駄と気づいて全巻読破したら勉強に集中できた。我慢は良くない」とメリハリをつけることの大事さを伝え、教室ではどっと笑いが起きた。熱心にメモを取っていた新2年生の女子生徒は「刺激になった。基礎の授業は1年生で終わっても2年生で復習しなきゃ」。

トップ層の分散→集中の背景

 44人が現役で東大に合格した今春の卒業生(353人)は、横浜翠嵐の東大合格者が増えた17年の進学実績をみて、18年春に入ってきた学年だ。17年の東大合格者は34人。前年の20人から大幅に増えた。進路指導を統括する青木健総括教諭は、入学時から高いモチベーションで東大を目指す生徒が多かったことが、今春の合格者増の大きな要因だという。

大学入試改革にコロナ禍にと、色々と振り回された学年が成功した背景を、関係者の証言から追いました。

 「もともと優秀な学年で、よ…

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