第3回19歳の母へ、重ねた過去 贈り物「靴下」に込めた思い

有料会員記事

中塚久美子
[PR]

 「他人の支援というものは難しいことはわかっております」

 気になる手紙をもらった。暖かい靴下の贈りものが同封されていた。

 差出人は愛知県のミキさん(41、仮名)。

 昨年10月18日に「19歳ひとり親 『ご飯ない』と検索」の記事が載った直後、ミキさんは「私自身、長年にわたる親の虐待と精神的支配で体を壊し、後遺症などからいつどうなるかと不安な日々を送っています」というメールを朝日新聞宛てにくれた。記事に反響が数多くあったことを同月22日、私(記者)はまた記事で伝え、その中でミキさんのメールでの言葉を紹介した。

 後日届いたのが、「メールをした愛知県在住の者です」と書かれた冒頭の手紙と、19歳女性への贈りものだった。

 「支援とは何か」を考えるうえで、「他人の支援は難しい」という指摘は、私には根幹に関わることのような気がした。

    ◆

 ミキさんの家をたずねると、仕事に出かける前の夫が出迎えてくれた。初対面の私から取材を受ける妻を心配しているようだった。

 記事について新聞社に連絡したのは初めてだったというミキさん。「(この類いの)記事は、どうしても『可哀想な姿』を強調しがちだけど、私は写真をみて、かわいらしい19歳の普通のお嬢さんなんだろうなと思ったんです」

 19歳のシングルマザーは親からの虐待が原因で、児童養護施設などで育った。親からの愛が手に入らないと悟ると、気持ちも生活も荒れた。

 昨年10月の記事では、19歳の生い立ちに触れたのは数行だけにとどめた。ミキさんは「さらっとしか書かれていないけど、本当に大変な思いをしたんだろうと想像したんです」と言う。

 そして、苦しかった19歳のころの自分を重ねた。

 ミキさんは、「ちゃんとした…

この記事は有料会員記事です。残り1734文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

連載「ご飯ない」から始まった(全4回)

この連載の一覧を見る