帰宅困難者対策、進化したけれど…コロナ禍で新たな課題

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山本孝興、南日慶子 岡戸佑樹
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 駅構内に通勤者らが滞留し、道路に人が押し寄せる――。首都圏を中心に、帰宅困難者の問題が浮き彫りになった東日本大震災から10年。民間を巻き込んだ対策や備えはコロナ禍でも進むが、一時滞在施設の不足といった課題の解消はさらに難しさを増している。

 帰宅困難者役の社員が間隔をあけて受け付けを済ませると、白い防護服のスタッフが検温して待機場所へと誘導する。東京都千代田区の大手町パークビル。本社を構える三菱地所が3月9日、帰宅困難者の受け入れを想定した訓練を行った。

 同社は東日本大震災時、大手町などにあるほかのビルも含めて約3500人を受け入れた。2012年には千代田区と協定を結び、保有ビル17棟が帰宅困難者の一時滞在施設に認定された。日常的に食料や毛布などを備え、建物の安全が確認されれば開放される。

 東日本大震災を機に、都心で相次ぐ再開発は帰宅困難対策とセットで進むようになっている。渋谷スクランブルスクエア(19年完成、東京都渋谷区)では約2800人、東京ポートシティ竹芝(20年完成、東京都港区)では約6300人の帰宅困難者の受け入れを表明している。

行き場のない人、都内で92万人

 災害時にオフィスのロビーや会議室などを開放して一時滞在施設とする場合、都から容積率の緩和の恩恵が受けられる。渋谷区は、大規模なビル建設では帰宅困難者の一時滞在施設を造ることを義務化した。

 ただ、膨大な帰宅困難者に対…

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