獅子舞、小屋、硯 記者も引き込まれるマニアなフェス

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寺尾佳恵
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ぽかーんとした表情の顔に見える小屋。遠藤宏さんは「思わずクスリと笑ってしまい、見ていて飽きのこない不思議な小屋だ」という=本人提供
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 田畑に立つ小屋や獅子舞、東アジア諸国の硯(すずり)など、自らが偏愛するモノの写真や実物を集めて展示販売する「マニアフェスタ」が3月27~28日、大阪市北区のルクア大阪であった。事前に資料を読み「ちょっと理解できそうにないかも……」と腰引け気味で取材に行ったが、マニアたちの熱量の高さに、記者も思わず引き込まれた。

全てがオーダーメイドな“小屋”の魅力

 つぎはぎだらけの小屋、畑の真ん中に建つ小屋、傾いた小屋――。会場のブースに並んだ小屋の写真と、「小屋愛好会」という貼り紙に目がとまった。

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全国各地の田畑や漁港にある小屋の写真を撮っている東京都の遠藤宏さん=大阪市北区

 東京都のカメラマン遠藤宏さん(49)は4年かけて、北海道から大分まで全国約800の小屋を撮影してきた。その魅力を、「廃材で作られていたり、トタンのさびがあったり、すべてがオーダーメイドなところ」だと力説してくれた。

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遠藤宏さんが初めて撮影した小屋。秋田県のジュンサイ畑の脇に立っていた。「小屋は働く人に密着して大切な役割を果たしている存在なんだと気づくきっかけを作ってくれた」という=本人提供

 撮影時のこだわりは、正面から必ず1枚撮ること。小屋の近くで働いている人がいれば、声をかけて内部も見せてもらうという。

 ちなみに小屋愛好会のメンバーは遠藤さん1人。「小屋はあってもなくてもいい。けれど、ないと寂しい。どんな小屋にも、そしてどんなマニアにも、存在理由はあるんです」

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海沿いに立つ小屋。「ロケーション込みで撮影すると、小屋が土地にしっかりと根ざしていて、日常生活や生業の中で必要とされていることが伝わってくる」という=遠藤宏さん提供
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畑にたたずむポンプの収納小屋=遠藤宏さん提供

マニアは獅子舞の“鼻”がお好き?

 なぜこんなイベントが開かれたのか。企画したイベント会社「別視点」(東京)の斎藤洋平副社長(36)は「普段は他人にちょっと言いづらいようなマニアックな愛を、気兼ねなく表現してもらいたかった」という。オンラインも含めて計59組が出展し、来場者とのマニアな会話で盛り上がっていた。

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ずらりと並ぶ獅子舞の「鼻」の写真=稲村行真さん提供

 千葉県のライター兼フォトグラファー稲村行真(ゆきまさ)さん(26)は、石川県加賀市獅子舞を撮り続けている。激しい動きや伝統衣装に魅了されたから? いや、その興味の中心は「鼻」という。「獅子舞は怖い顔でにらみを利かせて厄を払うと言われますが、よく見ると鼻はかわいいんです」。これまで加賀市内の64地域で120体ほどの獅子舞を撮影した。

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石川県内の獅子舞の写真を撮り続けている千葉県の稲村行真さん=2021年3月28日午後1時34分、大阪市北区、寺尾佳恵撮影

■硯マニアのこだわりは○○に…

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