飛鳥・藤原、世界遺産へ 最古の歌集「万葉集」を前面に

清水謙司
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 日本最古の歌集「万葉集」も生かして、「飛鳥・藤原」を世界の宝へ――。奈良県は30日、「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」の世界遺産登録に必要な推薦書の素案を文化庁に再提出した。構成資産の価値をさらに示すため万葉集を前面に押し出した。最短で2024年の登録をめざす。

 「飛鳥・藤原」の20の構成資産には、藤原宮跡・藤原京朱雀大路跡や高松塚・キトラ両古墳、飛鳥寺跡などのほか、大和三山耳成山畝傍山香具山)も含まれている。万葉集には、藤原宮と三山の関係を詠んだ歌もある。香具山については「春過ぎて 夏来(きた)るらし 白栲(たへ)の 衣乾(ほ)したり 天の香具山」(持統天皇)が知られている。

 世界遺産の登録基準の一つには、はっきりとした普遍的価値のある信仰や文学的作品などに関連があることが示されている。このため、県は、すでに出していた素案を練り上げ、万葉集を押し出すことにした。和歌や俳句など日本の詩歌の原点である万葉集には、当時の「飛鳥・藤原」の様々な人々の心情や光景が、いきいきとうたわれていると盛り込んだ。

 県などは「飛鳥・藤原」について、6世紀末~8世紀初頭の東アジアでの技術や文化の交流を示しており、遺跡の変遷で国の成り立ちがわかる唯一の例と位置づけている。(清水謙司)