[PR]

 【山梨】この夏の富士登山と山小屋営業を模索する会議が30日、富士吉田市の県富士山科学研究所であった。吉田口登山道にある16の山小屋を束ねる富士山吉田口旅館組合や富士山五合目観光協会、環境省、地元自治体の担当者ら約40人が参加。新型コロナウイルスの感染防止対策の徹底などを確認した。

 昨夏は、コロナの感染拡大で山梨、静岡両県の4登山道は閉鎖され、すべての山小屋が休業を余儀なくされた。現在も感染は収束していないが、「今夏は登山道を開いて山小屋が営業出来ることを前提に、行政と民間が意見交換して開山に備える」(県世界遺産富士山課)と会議を開いた。

 会議では、登山マナー以外の改善策も示された。主な対策としては、5合目売店や救護所、公衆トイレなどの換気や消毒など感染予防策▽登山バスの車内換気▽24時間営業だった富士スバルラインの営業時間短縮などが挙げられた。

 登山については、両県で作る富士山の適正利用推進協議会が今月12日に会議を開き、コロナ禍の「富士登山マナー」15項目を定め、富士登山の公式サイトにアップしている。

 山小屋の営業については、宿泊者数の制限や「3密」(密閉、密集、密接)回避を工夫する「感染症予防対策に係る基準」が発表された。基準には、就寝スペースは1人約2畳分を確保する▽食堂ではグループごとにアクリル板や透明ビニールカーテンで仕切りを設けることなどが盛り込まれた。

 富士山吉田口旅館組合の中村修組合長は「外国人の行楽客が見込めず、どれだけ登山者が戻るか不安だ。感染症対策は山小屋の状況に応じて可能な限り講じたい」。富士吉田市富士山課の羽田正利課長は「新たな登山マナーを盛り込んだチラシ8万部を作って開山に備えたい」と話した。(河合博司)