テクノロジーの活用と統御を議論へ 世界経済フォーラム

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 「ダボス会議」で知られる世界経済フォーラムが4月6、7の両日、「テクノロジーの活用と統御」を主題に「グローバル・テクノロジー・ガバナンス・サミット(GTGS)」をオンラインで開催する。日本政府が支援したイベントで、50カ国の政府、116カ国の企業、学界、市民団体など約150人が約40セッションに登壇し、テクノロジーの責任ある設計と活用について議論する。参加は無料。

 サミットの共同議長は、ユーチューブのスーザン・ウォシッキー最高経営責任者(CEO)、セールスフォースのマーク・ベニオフ会長、日立製作所の中西宏明会長、小池百合子東京都知事、インペリアル・カレッジ・ロンドンのアリス・ガスト学長ら。

 IT企業によるデータの独占が進むなかで、最近では企業側も自らをどう規制・抑制するべきかを積極的に発言するようになっている。共同議長の一人、ベニオフ会長はIT企業による富の蓄積と独占が進む現状を憂えて、企業や国家、市民社会との関係性を問い直そうとしているという。

 たとえば、各国で進むスマートシティー(デジタル技術を用いた次世代の都市づくり)構想は、自治体や企業だけでなく、地域市民の権利や意見も反映されなければならない。そのためには、どのような枠組みが必要なのか。また、スマートシティー間の競争が進めば、データの囲い込みや規制で、住民側が縛られる可能性もある。

 個人情報も、現在は情報を集める側と持つ側の相対取引が基本だが、それでは利用も保護も進まないとの指摘がある。海外では産業データを含め、取得の同意や合法性、データの真正性、監査などをした上で個人情報を使う、透明性の高い取引所の構想など、新たな取り組みが始まっているという。

 データ保護の考え方は、人権重視の欧州連合(EU)、国家がデータを握る中国、企業が主導する米国と、価値観が大きく分かれている。

 サミット参加者を結ぶ世界経済フォーラム第四次産業革命日本センター長の須賀千鶴氏は「テクノロジーはうまく制御しなければ、人間が置き去りにされ、各国の分断も進む。大国のはざまにいる日本が新たな価値観の提示を主導できるようにしたい」と話す。

 サミットの最終日には、各国の政府や企業などに行動を促す成果文書を発表する予定だ。

 サミットは、「GTGS」のサイト(https://jp.weforum.org/events/global-technology-governance-summit-2021/別ウインドウで開きます)からライブ配信を視聴できる。同時通訳つき。