「対中」掲げず、経済安保を推進 NSS経済班1年

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二階堂友紀
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 政府の国家安全保障局(NSS)に経済安全保障の司令塔を担う「経済班」が設置され、4月1日で1年。NSSは国の重要インフラが脅かされないよう、関係法令の改正案を来年の通常国会に提出する検討を進める。政権内では外交・安全保障の基本方針となる国家安全保障戦略を改定し、経済安保を初めて盛り込む案も再浮上している。

 経済班の手がける経済安保政策は、その大半が中国を見据えたものだ。だが政府は「特定の国や企業を対象にしたものではない」と名指しを避ける。米中が覇権を争うなか、同盟国の米国と歩調を合わせつつ、中国との経済関係に配慮する――。そうしたジレンマゆえ、NSS関係者は「秘すれば花。具体的な施策を静かに進めたい」と話す。

 自民党の新国際秩序創造戦略本部(甘利明座長)は昨年末、来年の通常国会で経済安全保障一括推進法を成立させるよう提言した。提言策定には経済班も関与しており、その骨格は政府がめざす施策と重なる。

「秘密特許」の導入も目玉

 一括法になるかは分からないが、NSSは業種ごとに定められた「業法」と呼ばれる法令の改正に向けた調整を進める。対象は電気通信事業法、電気事業法、航空法銀行法など国の重要インフラに関わるもの。政府関係者は「中国などの『懸念国』を念頭に、安全保障上の脅威に対応できるかチェックし、必要があれば見直したい」と話す。

 例えば現行法令だと、基幹産業がシステムを更新する際などに、監督官庁が安全保障上の懸念をチェックする法的根拠が乏しい。NSSは関連法令改正で、情報漏洩(ろうえい)やサイバー攻撃などのリスク低減をめざす。

 もう一つの目玉は「秘密特許…

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