引っ越し届けも給付金もスマホで なぜ韓国はできるのか

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清水大輔

拡大する写真・図版韓国のデジタル行政と交通事情との関係を説明する李善珠さん。公立施設の駐車場の空き状況もデジタル上で共有され、カーナビに表示されるという=2021年2月8日、ソウル、清水大輔撮影

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 日本政府がデジタル社会に向けた準備を急いでいる。国会ではマイナンバー預金口座のひもづけや自治体のシステム標準化などを盛り込んだ「デジタル改革関連法案」が審議されている。では、デジタル社会が実現すると、どれほど便利で豊かになるのだろうか。参考になるのが韓国だ。日本がこれから創設する「デジタル庁」に相当する組織を約10年前につくり、日常的な公共サービスの手続きがスマートフォンで完結できるようになっている。現場を訪ねてみた。

 ソウル市に暮らす李善珠さん(45)の一日は朝のゴミ出しから始まる。2月初めに自宅マンションを訪問すると、建物の外に設置された生ゴミ専用の回収ボックスに案内された。韓国では肥料用に再利用するため生ゴミを回収する自治体が多い。市から配布されたプラスチック製の小さなキーを回収ボックスに近づけると、ふたがあいた。ゴミを投入すると重さが表示される。その量に応じて月ごとの費用が計算され、指定の口座から引き落とされる。

拡大する写真・図版ソウル市にある生ゴミの回収ボックス。専用のキーをかざすとふたが開き、投入したゴミの量が表示される=2021年2月8日、清水大輔撮影

 テレビの受信料、電気代、ガス代も同様に指定口座から引き落とされる。国や区、半官半民の公社など請求元はばらばらだが、利用料はすべて同じスマホ画面で確認できる。

 自動で引き落とされるだけなら日本と同じに思えるが、日本で暮らした経験のある李さんは「新生活が始まるこの時期、両者の違いがよく分かる」と話す。

 例えば、引っ越しをする場合…

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