素晴らしい決勝、明豊・川崎監督は言葉通り 高嶋仁の目

前・智弁和歌山監督
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(1日、選抜高校野球 東海大相模3-2明豊)

 素晴らしい決勝でした。東海大相模はやっぱり石田隼都君の存在が大きかったですね。あの長身から、スライダー、チェンジアップを内外角に制球よく決めれば、まず打たれません。あとは、どう点をとるか。1点目はスクイズ。決勝点はバント安打からでした。門馬敬治監督の試合運びも見事でした。

 明豊の戦いぶりも立派でした。初めての決勝でも、自分たちの野球を貫いていました。先に先に得点し、先発の太田虎次朗君が粘り強く投げる。七回は変化球が浮いて2死満塁のピンチを招きましたが、苦しい時もしっかり腕を振って投げていました。大会を通じて無失策の守備陣も、しっかり投手陣を支えました。

 川崎絢平監督はご存じのように智弁和歌山の出身です。派手なタイプではありませんでしたが、芯が強く、地道に努力する内野手でした。1年夏に全国制覇を経験し、2、3年夏も甲子園でプレーしました。

 立命館大を卒業後、私のもとで数年間コーチもして、選手によくノックをしてくれました。明豊でも、まず守りをしっかりする智弁の野球を実践してくれているように思います。5試合で無失策は素晴らしいのひと言です。私のいいところは取り入れ、あかんとこは省いてチーム作りをしているのでしょう。大したものです。

 試合のたびに電話し、「決勝までは行ってもええが、優勝はまだ早いで」と笑いながら声をかけました。決勝の前日もそう言うと、「いつも通り頑張ります」と言っていました。その言葉通りの試合でした。

 これで次は優勝です。恩師の言葉をちゃんと守っている律義な男ですから、間違いありません。野球の神様もちゃんと見ています。

 最後に、昨年夏の甲子園交流試合に続いて今大会を開催して下さった日本高校野球連盟をはじめとする関係者の皆さんに感謝を申し上げます。やっぱり高校野球は甲子園でやらなあかんのです。他の高校スポーツの勇気にもなると思うんです。夏も楽しみにしとります。(前・智弁和歌山監督)