五輪代表、本番は同じ相手と戦わない(中西哲生コラム)

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 男子サッカーのフル代表とオリンピック(五輪)代表が2試合ずつを戦った3月のシリーズは、両方の代表にとって、今後に向けてやるべきことが明確になり、非常に有意義でした。

 フル代表は25日の日韓の親善試合で3―0、30日のW杯2次予選モンゴル戦は14―0。モンゴル戦は、実力差がある相手だったので大量得点は当然にもみえますが、ゴールの質が高いものだったことが重要です。

 これまでの日本は、格下の相手に対しては、力でねじ伏せる、といった面が少なからずありました。例えば、相手が引き気味であれば、中央に背の高い選手を置き、クロスを入れるシンプルな攻撃からゴールを狙うことや、相手がスピードに弱ければ、スピードのある選手を多く起用して、局面局面で相手を上回るということです。

 もちろん、それが悪いことではありません。ただ体格や身体能力で相手を上回っても、世界トップのチームとの対戦においては、逆に相手に日本人選手よりも体格や身体能力が高い選手が存在するため、そういった攻撃は機能しません。となると必要なことは、相手の陣形のバランスを意図的に崩し、ゴールを陥れることですが、今回のモンゴル戦はそれが丁寧にできていました。

 具体的には、誰がどこにどのタイミングで走るか、といった崩しが緻密(ちみつ)で論理的だったのです。さらにシュートも慌てたり、力任せに打ったりということがなく、力みと焦りがない状態で打てていました。わかりやすいのは南野の先制点。ファーストコントロールで自分がシュートに向けて置きたい場所にボールを置き、シュートも外側から巻いて、GKの手が触れられない軌道でゴールに流し込んでいました。

 こうした論理的な崩しや、GKが触れることができないシュートは、9月から始まるであろう最終予選で強い相手にも効果を発揮します。2次予選は5連勝で残り3試合。勝ち抜けはほぼ決まっていますが、そのような攻撃を日本の強みとして刷り込めるよう、その3試合でさらに積み上げることが重要です。

 五輪代表はアルゼンチンとの親善試合で26日は0―1で敗れましたが、29日は3―0で勝ち、修正能力を見せました。

 開催されるかどうかまだわか…

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