「最弱」の明豊、先輩を超えた準優勝「悔しさいっぱい」

坂名信行
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(1日、選抜高校野球 東海大相模3-2明豊)

 堅い守りで小差の試合を勝ち上がってきた明豊。同点の九回1死満塁のピンチで遊撃に痛烈な打球が飛ぶ。明豊の主将、幸(ゆき)修也は必死にグラブを伸ばした。「捕れる打球だった」。だが、ボールはグラブに収まってくれなかった。はじいた打球は中前へ転がるサヨナラ適時打になった。

 昨年8月、チームが代替わりして最初の練習試合でサインミスや失策が出た。川崎絢平監督から「ここ数年見てきたけど、最弱だ」と言われた。堅守のチームへと変えたのは「ノーエラーノック」。各ポジションを3人ずつが守り、全員が無失策でなければ終わらない。ほぼ毎日、繰り返された特別なノックはときには30分にも及んだ。

 「泥臭く」。幸が口癖のように繰り返した言葉だ。今大会、投手陣は3人の継投で粘り強く耐えた。打線も「強打者はいない。自分は4番目の打者」と黒木日向が言うように毎試合、打順を組み替え、競り勝ってきた。

 3年生は2年前に見た選抜4強の先輩を目標にしてきた。準優勝。幸はまた新しい目標を見つけた。「先輩を超えられたのは良かった。でも悔しさでいっぱい。優勝インタビューは目に焼き付けた」(坂名信行)