阪大の箕面新キャンパスがオープン、市民との交流にも
【大阪】1日に開校した大阪大学の箕面新キャンパスがお披露目された。大学は、外国語学部の学生や留学生が学ぶ「グローバル人材の育成拠点」の役割に加え、地域住民との交流の場としても期待している。
新キャンパスは箕面市船場東3丁目にできた。外国語学部、大学院言語文化研究科の一部、留学生が学ぶ日本語日本文化教育センターが、市内の粟生間谷東(あおまたにひがし)地区にあった旧キャンパスから移転。専攻できる25言語を含む約70言語を学ぶことができ、学生や教職員ら約3500人が通う。
隣接する学生寮も合わせて敷地面積約8千平方メートル。メインの建物「外国学研究講義棟」は地上10階、延べ床面積約2万4千平方メートル。学生が交流したり、自習したりできるスペースも充実した。一部の講義室では「学生が眠らない教室」をめざしてダイキン工業と提携した社会実験を実施。風の流れや温度、湿度、香りを研究するという。
この日の式典で西尾章治郎総長が「多彩な世界の言語や文化を市民に紹介する事業も進めていく」と述べたとおり、地域と大学の交流を重視したつくりにもなっている。
住民も使える食堂やデッキ広場が設置され、大学図書館の機能を併せ持つ市立図書館と生涯学習施設も5月1日に開業する。7月には「箕面国際フェスティバル」を開き、「留学生と遊ぼ!」「ビジネス英語講座」「外国につながる子どもたちへの日本語教育の理論と実践」など市民も参加できる講座を続けるという。
外国語学部でポルトガル語を学ぶ4年生の岡崎大知(たいち)さん(21)は「一番楽しみなのは、これまでと違って留学生と同じ建物で学べること。寮も隣接しているので、これまでより交流しやすくなると思います」と話した。
大阪大学は2007年に大阪外国語大学と統合。豊中、吹田両キャンパスの間に位置する船場地区に外国語学部などを移転することにした。徒歩1分の場所には、この春までに北大阪急行線の新駅「箕面船場阪大前駅」が開業するはずだったが、計画が遅れている。23年度には開業予定だ。(宮崎亮)
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