「足りないのは学力じゃない」 東大への「壁」壊すには
阿部朋美
地方と首都圏の学生には、得られる機会や情報などに大きな格差があるのではないか。地方に住んでいることで夢を諦めてほしくない――。そんな思いで、格差をなくそうと活動する若者たちがいる。
150人を超える東京大学の学生たちでつくる学生団体「FairWind」(フェアウィンド)。東大生との交流を通じて、地方に住む高校生にfair wind(=追い風)を吹かせることを理念に掲げ、2009年に設立された。東大のキャンパスの案内や、大学生活を紹介するワークショップ、教授による模擬授業などを体験してもらい、地方の高校生の進学支援を目指す。
東大の大学案内によると、2019年度の前期試験で合格した約3千人のうち、東京都内の高校出身が35・3%、東京を除く関東圏が21・6%で、半数以上は関東圏の高校出身者が占めた。
フェアウィンド代表で教養学部3年の大内山辰志さん(21)は鹿児島県出身。「地方の高校生が学力で劣っているわけではなく、地元から遠い場所にある難関大学に関する情報を得る機会が不足しがちなのではないか」と分析する。
自身は上京する際に周囲から…
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