「結局、何も変わらなかった」 また春が来て、門出の夜

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藤野隆晃、山口啓太、根岸拓朗
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 入社や人事異動で変化があった人、なかった人。コロナ禍が社会の隅々まで及ぶなか、新年度が始まった。「門出の1日の夜、どう過ごしましたか」。日が暮れてから東京都内各地で尋ねてまわった。

 午後9時過ぎの東京・銀座。百貨店やブランドショップが立ち並ぶ通りも、すでに人はまばらだった。

 佐々木圭太さん(24)が紙袋を手にアップルの店舗から出てきた。9時の閉店直前、スマートスピーカーを急いで買ったという。

 1日にIT系企業に入社した新社会人で、数日前に引っ越しを済ませたばかり。「部屋がシーンとしているから、前を向ける感じの音楽をかけたいと思ったんです。星野源とか」

 入社式はオンラインだった。対面の歓迎会はもちろんない。「飲み会をやると言われても『大丈夫か』と思ってしまう」。大学の授業や就職活動でオンラインのやりとりにはすっかり慣れた。でも、コロナのために近くの友人とも会いづらい生活に、疲れも感じる。

 変化の速いIT業界で、開発などの仕事にあたっていく。「新しい技術はこれまでできなかったことを容易にして、暮らしを豊かにすることができる。仕事をしていくなかで自分の強み、とがった部分を見つけていきたいです」

東京に出向「自分を試したい」

 同じころ、渋谷区道玄坂。「営業は午後9時まで」とする都からの営業時間の短縮要請に応じる飲食店の明かりが、一つまた一つと消える。スーツ姿の会社員らが次々と坂を下っていく。

 缶コーヒーを飲んでいた会社…

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