無線でSOS、応じた男性と涙の対面 でも突然反応が…

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角拓哉
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 5年前、2016年4月の熊本地震。本震は、16日未明に起きた。その翌日の昼下がり。

 「JI2SSP、平岡です。熊本の皆さん、大丈夫ですか。夜中も待機しています。何かあれば教えてください」

 熊本市の西山弘昭さん(67)は、そんな男性の呼びかけを自宅で聞いた。

 初めて聞く名前だったが、無線機に向かい、こう応じた。

 「JA6TJY、西山です。水道が使えず、水が不足しています。食料品も足りていません」

 コールサインJI2SSPこと、平岡守さんが住んでいたのは、熊本市から650キロほど離れた岐阜県川辺町。2人のやりとりを全国のアマチュア無線家たち数十人が傍受し、耳を傾けていた。

 西山さんは、「自分たちを見ていてくれる人が必ずいる」と心強く感じたという。毎日夜9時、平岡さんに被災地の状況を伝える定時交信が始まり、やりとりは1カ月続いた。

 「水や食料を買って被災地に届けよう」。平岡さんは、無線やSNSも使ってほかの愛好家に呼びかけ、数十人が賛同した。全国から発送されたペットボトルやカップラーメン福岡県に住む仲間が引き受け、車で西山さんの元に届けた。ほかの被災者にも手渡すことができた。

 発災の7カ月後。広島県でアマチュア無線家が集まるイベントがあり、西山さんと平岡さんは初めて顔をあわせた。

 「JI2SSP、平岡さんじゃないですか?」

 首から下がった名札を見て声…

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