「簡単に復興って…」市長が涙 熊本で復興映画祭が開幕

堀越理菜
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 熊本地震の被災地を映画で元気にしようと2017年から始まった「くまもと復興映画祭」が今年も16~18日に開催される。映画祭のディレクターを務める熊本市出身の行定勲監督は2日、大西一史熊本市長と市役所で会見し、「5年の節目だが昨年の豪雨災害もあり熊本はまだまだ大変な状況。それを少しでも世界中の人に分かってもらうつもりで開催したい」と思いを語った。

 映画祭の開催は今年で5回目。熊本城ホールを会場に、検温や手指消毒などの新型コロナウイルス対策を行って、3日間で約2千人の動員を見込む。上映作品は行定監督の「いっちょんすかん」など全10作品。うち2作品は昭和の作品をデジタル復元したもので、行定監督は、古いフィルムと傷ついた熊本を重ね合わせ、現代の力で前向きに修復していくという、復興映画祭ならではの意味を込めて選んだと説明した。

行定勲監督と大西一史熊本市長がやりとり

 映画祭は地震の後、行定監督と大西市長がメールでやりとりをする中で生まれたという。行定監督は大西市長から「映画の力で熊本を元気に」と伝えられてから映画の力とは何かをずっと考えてきたという。「映画を見に来た人たちに生きる力やヒントみたいなものが宿ることを目指す。コロナ禍において、文化の力って何なんだろうということを映画祭で体感することが次の時代を作っていくのだと思う」と話した。

 大西市長は「5年間で生活は取り戻してもどこか違う悲しみを背負っていると思う。簡単に復興って言うなよな、言えないなって思います」と涙ぐみながら、「こうやって皆さんの応援があり、厳しいんだけど頑張ろうという気持ちになれるのがこの映画祭の魅力」と語った。

 映画祭の入場料は通常チケット4千円、チャリティーTシャツ付きのスペシャルチケット6千円などで、ローソンチケットで販売中。上映スケジュールなど詳細は映画祭HP(https://www.fukkoueigasai.jp/別ウインドウで開きます)。(堀越理菜)