田中邦衛さん、富良野に溶け込み愛された 悼む声次々

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能田英二、田中啓介、岡田昇、佐野楓、芳垣文子、本田大次郎、阿部浩明
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 1980年代に放送が始まったテレビドラマ「北の国から」で主人公の黒板五郎を演じた田中邦衛さんが亡くなった。ドラマの舞台となった北海道富良野市や道内でゆかりのある人々は、田中さんの突然の訃報(ふほう)に接し、役柄そのままに愛された故人を悼んだ。

 富良野メセナ協会代表の篠田信子さん(72)は「ふらの演劇工房」の運営に携わるなど演劇の町・富良野を引っ張ってきたひとり。ドラマの撮影の初期から田中さんを知る。田中さんはドラマの衣装の帽子とジャンパーを羽織り、「地域に溶け込みたいんだ」と地元の人たちが利用するバスに乗っていたことを覚えている。篠田さんは「富良野の方言を聞き、富良野の空気感を感じたかったのだと思います」と振り返り、「残念ですが、実感としてわかない。ドラマと一緒でずっと消えない存在です」と故人をしのんだ。

 田中さんはJR富良野駅前の創作料理店「くまげら」にもしばしば足を運んだ。初めは居合わせた客からサインをねだられ、気さくに応じたりしていたが、そのうち周囲にすっかり溶け込んだ。店主として接した森本毅(たけし)さん(77)も「邦さん」、しまいには「五郎さん」と呼ぶようになった。「うちのお客さんの中で一番田舎っぽいのが五郎さんだって、言っていたものです」

 エゾシカや鶏肉などが具材の名物料理「山ぞく鍋」をはじめ、何でも好き嫌いなく食べたという。「役柄と違ったのは酒をほとんど飲まなかったことだけ。あとはドラマの中の五郎のままでした」

 富良野市の「喫茶我夢舎楽」…

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