「国民と国軍、どちら寄りか」 在日ミャンマー人訴える

安倍龍太郎
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 ミャンマーで起きた軍事クーデターをめぐり、公開質問状で日本政府の認識を明らかにするよう求めていた在日ミャンマー人団体に対し、外務、法務両省などが2日、回答を示した。ミャンマー国軍とのパイプを重視する日本政府は制裁の是非について「検討」を繰り返した。出席者の中には「日本は国軍に寄るのか、ミャンマー国民に寄るのか」と涙ぐむ人もいた。

 質問状は在日ミャンマー市民協会と、国際人権NGO「ヒューマンライツ・ナウ」が共同で提出した。ミャンマー情勢に対する認識や国軍への働きかけなど12項目にわたって見解を求めており、権力を掌握した国軍に対して、どう具体的に働きかけたかや、その成果についても回答を求めていた。2日に国会内で開かれた集会で、外務省担当者らが口頭で回答した。

 それによると、働きかけについては、丸山市郎・駐ミャンマー大使が、国軍から外相に指名されたワナマウンルウィン氏と面会したことなどを挙げ、「引き続き日本独自の役割を果たす」と説明。一方で、制裁の是非については「事態の推移や関係国の対応を注視し、何が効果的かという観点から検討する」と繰り返した。

「毎日殺され、放火されている」

 これに対し、日本で看護師として働くレーレールィンさん(30)は「すごく残念だ。いまの日本政府の立場は分からない」と時折声を詰まらせながら「国民が毎日殺され、放火されている。『検討します』などではなく、どうかミャンマー国民の命を助けて欲しい」と、日本政府に強い姿勢で臨むよう求めた。

 別のミャンマー人女性は「日本が独自のパイプで話し合いをしたいのなら、国軍が武器を置き、国際社会の裁きを受けるよう説得してほしい」と強調。出席者の中には、国軍への抵抗のシンボルとなった3本指を掲げ、涙ぐむ姿もあった。

 一方、茂木敏充外相は2日の衆院外務委員会で、現在のミャンマーへの対応について「率直に言って難しい問題だと思っている」と指摘。仮に国軍に制裁を科したとしても「『明日から民主的な体制に戻ります』ということだったら簡単だ。私だってそうする」と述べ、改めて慎重な姿勢を示した。(安倍龍太郎)

写真・図版
政府回答をめぐり「国軍とは話にはならない」と意見を述べるミャンマー人女性。国軍への抗議を示す3本指を掲げる人もいた=2日、国会内