「夢もて」と追いつめる大人 新学期、ダメと思わないで

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川本裕司
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国際アンデルセン賞に推薦された岩瀬成子さん

 山口県岩国市在住の児童文学作家、岩瀬成子(じょうこ)さん(70)が昨年9月、児童文学のノーベル賞といわれる国際アンデルセン賞に国内から推薦された。アンデルセンの誕生日の2日は「国際子どもの本の日」。新学期を迎える子どもに、岩瀬さんは「自分がダメと思わないこと。いまやってみたいことをやってみて」と呼びかける。

 玖珂町(現岩国市)生まれ。高校卒業後に町役場や広告会社で働いたあと、神戸や京都で暮らした。小さい頃から本や漫画が好きだったが、児童文学作家の今江祥智さんの講演で英国の現代児童文学を知り、今江さんが教える京都の短大で聴講生になって学んだ。

 帰郷したあとの1977年、「反戦喫茶店」と呼ばれた市内の「ほびっと」をモデルにした店を舞台に、女子中学生の視点から描いた作品でデビュー。基地の街でスナックを経営する両親をもつ12歳の少女と、反基地闘争を続ける父をもつ娘との関係の変化をとらえた「ピース・ヴィレッジ」(2011年)でも、岩国を掘り下げてきた。

 同時に、うそをついて生きていくしかない少年と同級生と話さなかった少女が出会う「『うそじゃないよ』と谷川くんはいった」(1991年)、別れた父親から暴力を振るわれた記憶がよみがえる少年を主人公にした「ぼくが弟にしたこと」(2015年)など、厳しい環境の中で子どもが生きていく設定が目立つ。

 中でも小学校高学年の少女を描く作品が多いのは、自らの体験に基づく。岩瀬さんは「9歳のとき親や先生の言うことが正しく信頼できるとは限らないと気づいた。10歳前後が最も変化の大きい時期」と語る。

 3月27日にあったオンライ…

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