いじめ文書の誤り訂正、市が応じず 県教委が指導しても

堤恭太
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 埼玉県川口市立中学校でいじめが原因で元男子生徒(18)が不登校になった問題で、市は母親が求めていた市教育委員会の対応などを記した公文書の78カ所の誤りの訂正に応じないことを決めた。県教育委員会が具体例を挙げて再三適切に対応するよう求めていたが、3月30日付で決定した。

 この公文書は、元生徒が起こした情報公開訴訟中の2019年5月に市が突然非開示決定を取り消して公開した522枚。訴訟で争われていた学校の報告(6ページ)と市教委の対応(12ページ)とは別の文書になる。

 公開後、元生徒側が誤っている部分の訂正を要求。県教委も元生徒側の訴えを受けて聞き取り調査をしたり提出された音声記録などを調べたりした上で、市教委に指導、助言、指摘を繰り返してきた。

母「信じられない対応」

 19年11月には、母親の名前や母親に対応した日付が異なることや、音声記録の確認で判明した対応内容の欠落や相違点4項目7カ所を挙げて「いじめを受けた側に対し、必要な情報を適切に提供することが求められる」と指導している。

 しかし、市教委が応じないため、元生徒側は訂正請求権を認めた個人情報保護法や「保有する個人情報は正確かつ最新のものとする」とした市個人情報保護条例に基づいて今年1月、訂正を請求していた。

 今回の決定で市教委は「文書作成当時の事案の認識、評価を記載したものであるため訂正しない」「明白な誤りについては適宜対処する」などとしている。元生徒の母親の森田志歩さんは「行政が法や自ら定めた条例に違反し、県教委の指導にも従わないとは信じられない対応だ」と話している。(堤恭太)