JALのCAが鮮魚販売 自ら買いつけ、福岡空港で試み

小川裕介
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商品について説明する日本航空ふるさとアンバサダーの西村靖美さん(手前左から3人目)=福岡市博多区
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 日本航空(JAL)は、鮮魚のテスト販売を福岡空港福岡市博多区)で始めた。全国の空港で初めての試みという。発案したのは、客室乗務員(CA)として40年のキャリアを持つ長崎市出身の西村靖美さん(59)。新型コロナによる減便を受けて発足した同社の「ふるさとアンバサダー」として福岡市に赴任し、地元九州に恩返しを期している。

 西村さんは、1981年に入社。数年前からは、フライトの管理業務にも携わっていた。だが、新型コロナの感染拡大を受けて航空需要は激減した。JALは、CAらがキャリアを生かして地域の活性化に貢献する「ふるさとアンバサダー」制度を始めた。西村さんは昨年9月、東京都内に家族を残し、単身で赴任した。

 発案のきっかけは、「九州のおいしい魚を持ち帰って家族に食べさせたい」と考えたことだった。ただ、鮮魚は保冷が難しく、利用する空港には売っていなかった。そこで、コロナによる自粛で自宅で食事をとる人が増えていることもあり、空港で鮮魚を売ることを提案。JALの関連会社が、鹿児島県垂水市などの養殖魚をアジアに輸出しており、国内の販路を拡大させたい意向と重なった。

 テスト販売では、未明から福岡市の鮮魚市場での買いつけに同行し、日中は同じくふるさとアンバサダーで長崎県諫早市出身の酒井麻衣さん(31)らと、店先に立つ。3日は、垂水市産の養殖カンパチや長崎県産の養殖マグロ、五島列島産のイカなどを真空パックにつめて販売し、旅行客だけでなく地域の住民らも買いに訪れた。

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九州産の鮮魚をPRする日本航空ふるさとアンバサダーの西村靖美さん(左)、尾脇雅弥・鹿児島県垂水市長、ふるさとアンバサダーの酒井麻衣さん=福岡市博多区

 空港にPRに駆けつけた垂水市の尾脇雅弥市長は「接客が洗練されている。同じ魚でも、お客さんに手にとってもらえる機会が増えるのでありがたい」と話した。養殖魚もコロナの影響で販売が減少しており、販路の拡大が急務になっている。

 今後は、売れ行きなどを見て、空港内に常設の店舗を設けるか検討する。「テスト販売はうまく離陸できたので、店舗としてソフトランディング(着陸)させたい」と、西村さんは意気込む。

 テスト販売は、福岡空港国内線ターミナルビル2階で、4日まで。(小川裕介)