「教室までにおいが…」学校トイレ改修、なぜ遅い 西宮

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松永和彦
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 「暗い、汚い、臭い、怖い、壊れている」。頭文字で5Kとも言われる学校のトイレだが、洋式化が進んできれいになりつつある。兵庫県内の公立小中学校での洋式化率は全国平均(57%)を上回るが、政令指定市・中核市でみると、西宮市が全国平均を10%近く下回る。なぜだろうか。

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 西宮市宮前町の市立浜脇中学校。築47年の校舎にある男子トイレは洋式が一つに、和式が二つ。床も昔ながらのタイル張りだ。ある男子生徒は「初めは汚さに驚いた」と笑う。女子トイレも事情は同じようだ。ある女子生徒は「和式便器だと狭いし、スカートが床にすれて汚れる」と顔をしかめる。

 TOTOなどトイレ関連企業でつくる「学校のトイレ研究会」(東京)は、30年以上前は和式便器が主流で、今では便器が古くなり汚いというイメージにつながっているとみる。研究会の担当者は「家庭で洋式が普及し、子どもたちが安心して和式を使えずに我慢してしまう。洋式に比べ和式は尿が飛び散りやすく、衛生的にも良くない」と話す。

 文部科学省が昨年9月に公表した、全国の公立小中学校のトイレの洋式化率は57%だった。兵庫県の洋式化率は60・9%で、都道府県別でみると9番目に高かった。また県内41市町別にみると、西脇市(12校)が83・2%と最も高く、次に伊丹市が82・5%、芦屋市が76・3%と続く。

 一方、人口規模の大きい政令指定市や中核市の5市で比較したところ、西宮市が46・8%で最も低かった。

 「非常に汚い。何とかして欲しい」「教室までにおいが漂ってくる」。市教育委員会によると、保護者からトイレの改善を求める投書が相次ぐ。担当者は「駅や商業施設に比べ、改善が進んでいない学校が余計に目立っている」と話す。

 市教委によると、市内の小中学校舎の7割以上が築30年以上。洋式化が進まないのは、外壁改修などトイレ以外の老朽化対策を優先させたため、と説明する。また空調設備やバリアフリー化を率先して整備してきたことも理由という。

 とはいえ、トイレは誰もがお世話になる場所。市は今後15年ほど洋式化に取りかかれない学校については、今年度から簡易的な改修を始める予定だ。

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 他の政令指定市や中核市をみると、トイレの洋式化率はトップによって左右されるようだ。

 洋式化率74・7%の神戸市

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