大学生の「オンライン留学」が広がっている。コロナ禍で海外渡航が制限される中、自室から気軽に外国とつながることができる一方、机上の学びを超えた異文化や習慣を体感することは難しい。新たな留学のあり方を模索する三つの大学のプログラムを見学した。(花房吾早子)
時差に応じて発表、「スラック」で議論
「それを実現するには何から始める?」「地域に学生ボランティアを増やすにはどんな方法が有効?」。ビデオ会議システム上で、教員が学生たちの研究発表に対して質問を投げかけた。日本とインドネシア、フィリピン、米国から参加した学生計12人が、画面を通して滑らかな英語で答えていた。
3月24日、大阪市立大(大阪市住吉区)が主催する約2週間のプログラムが最終日を迎えた。期間中、8カ国から参加の計30人が九つのグループに分かれ、増え続けるごみ問題、気候変動、高齢化社会の労働力不足などについて現状と解決策を研究してきた。時差に配慮し、ロシアとセルビア、ザンビア、ケニアの学生計18人には別の時間帯に発表の場が設けられた。
普段の議論はオンライン上の…