留学生をにやにやスマホで撮影 はびこる差別なくすには

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黒田早織 宮崎亮 平山亜理 忠鉢信一
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 少子高齢化の進む日本は多くの外国人労働者を受け入れています。ですが政府は表向き移民政策であるとは認めず、市井の日本人から向けられる差別的な視線を意識する在日外国人が少なくありません。さらにコロナ禍では、日本人が日本人に差別の目を向ける事例も浮き彫りになりました。記者たちがそれぞれの現場から報告します。

家探し「外国人はダメ」 地域のトラブル「日本社会の問題では」

 日本社会で外国人が最初に感じる差別は「住まい」と言われます。実態はどうなのか、全国5位の19万6千人(2020年6月、出入国在留管理庁統計)の外国人が暮らす埼玉県内を歩いてみました。

 「日本で家を探すのは本当に難しい。『外国人はダメ』といくつもの不動産会社で門前払いされた」。バングラデシュ人で川口市に住むハサン・エモディ・アブルさん(24)は、今の家を見つけるのに半年かかりました。「日本の文化やマナーが分からない外国人がいるからでしょう。でも、国籍でひとくくりに拒否されるのはつらいしおかしい。ちゃんとお金を払って住むのに……」と言います。仲介した不動産会社クレオン(川口市)の池水秀一副社長(53)は「『ゴミ出しのルールを守らない』『騒音、においがすごい』といったトラブルを懸念して外国人を拒む大家さんはまだまだいる。家探しは最終的には大家さん次第。仲介会社は理解を取り付ける努力を地道にするしかない」。

 公益財団法人「人権教育啓発推進センター」が16年に行った調査では、日本で住む家を探した経験のある2044人のうち、「外国人であることを理由に入居を断られた」人は39・3%、「日本人の保証人がいないことを理由に入居を断られた」人は41・2%にのぼりました。

 一方、「理解のある大家さん」がいるという話も。八潮市に住むパキスタン人のザヒット・ジャベイドさん(55)は「この辺の物件の多くは、外国人に理解がある大家さんのもの。彼に頼めば家探しは余裕だよ」と言います。その大家さん、同市の昼間一夫さん(79)は現在、所有物件の9割にあたる約150室を外国人に賃貸中。約20年前、築年数が経った空室が増えたのがきっかけでした。「私は合理主義者。国籍で選別していては事業が成り立たない時代になった。変化に合わせて考え方をアップデートしないとね」。最初は「利益追求のため」だったが、今では何人もの入居者と信頼関係が築けたという。

 さいたま市南区のBridge Lifeは、「外国人入居インフラ」の整備そのものを事業理念に、外国人の物件探しから契約までをサポートし、入居後も8言語対応のコールセンターで24時間相談にのっています。

 設立は08年。「当時外国人の家探しは今よりずっと難しかった。外国人労働者が増え続ける日本で、みんなが避けるからこそビジネスチャンスだと思った」と取締役管理本部長の清水一生さん(46)。「なじみのないマナーを難しい日本語で説明されても理解できないだけ。母国語で入居説明・トラブル対応するサービスを提供することで、家を借りたい外国人と文化の違いが不安な大家の双方にメリットがある」。利用者は増え続けているといいます。

 清水さんは「高齢化が進む社会で、入居差別は誰にとっても他人事ではありません」と指摘します。例えば「部屋で亡くなられたら困る」「長く住める人がいい」などと高齢者を避ける大家も多いといいます。

 住民の半数以上が外国人の芝園団地(川口市)でも、自治会事務局長の岡崎広樹さん(39)が「安易に『日本人/外国人』の対立構造ととらえると本質を見誤る」と見ています。「マナー違反が厄介なトラブルになるのは気軽に注意し教え合える関係を地域で作れていないから。『外国人だから』ではない。日本人同士ですらできていないのだから、相手が外国人ならもっと難しい。日本社会の問題そのものではないでしょうか」(黒田早織)

「笑い顔、初めて怖いと思った」 ヘイトデモ見た多文化交流施設職員

 在日コリアンの多い川崎市川崎区の桜本地区に「川崎市ふれあい館」という多文化交流施設があります。地域に住む外国人と日本人、子どもからお年寄りまでが集い、互いの文化や言語を学び合う場です。3月3日の夜、来日しておおむね3年以内の中学生のための「学習サポート」の様子を取材しました。

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