第7回日本の半導体産業「他国より優位」 自国の強み育てよ

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聞き手・福田直之、編集委員・吉岡桂子
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 米中技術覇権争いの鍵を握るのは半導体だ。東芝副社長として日米半導体交渉に臨み、米アプライドマテリアルズや中国の中芯国際集成電路製造(SMIC)の社外役員を歴任してきた、日本半導体産業の重鎮、川西剛氏(92)に半導体産業の過去・現在・未来を聞いた。

写真・図版
インタビューに答える元東芝副社長の川西剛氏=2020年12月3日、神奈川県逗子市、福田直之撮影

3つのポイント

(1)かつての日本の強みは現場力だが、「何を作るか」というひらめきが足りなかった (2)日本の武器は技術。製造装置や素材、イメージセンサーなどに強み (3)日本は半導体にこだわるべき。国是として進め、3次元半導体などに活路見いだせ

――日本の半導体産業は米中の技術覇権争いのなかをどう生き抜けば良いでしょうか。

 「世界に覇権国家は米国と中国しかない。軍事力の争いは国の生存に関わる問題だ。半導体は軍事にも使われるので、米国は中国の半導体動向にナーバスになっている」

 「半導体産業は国際協力でお互い強くなるしかない。トランプ前大統領の何でも俺が一番だというやり方は違う。海外に工場を作ってそこに東芝の旗を立てるのが国際化だと思われているが、実際やってみると国際貿易摩擦につながる。全部現地化してしまう手もあるが、特に半導体のようなハイテク産業の場合は鍵となる技術については日本から出ないようにする必要がある。半導体は自ら強みを持ったうえで、国境を越えて相手の強いものと補完し合うしかない。本当の国際化とは外国でやらないことを日本の中で育てていくことだ。日本の武器は技術だ。技術を怠りなく高めていけば、米中摩擦のとばっちりを受けてもやっていけるのではないか。私は日本に対してあまり失望していない。比較論で言えば、他の国より優位だろう」

――ただ、日の丸半導体は競争力を失って久しいと言われます。

 「日の丸はだめ、うまくいっ…

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