ゲーセン「理想郷」の見えぬ理想 原発近く、鉄格子の中

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関根慎一
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 JR夜ノ森駅(福島県富岡町)前には「理想郷」という名のゲームセンターがあった。原発事故で一帯は「帰還困難区域」となり、今も鉄格子で囲まれる。2年後の避難指示の解除に向けて除染が進むが、店主は地域の「理想」の姿を見通せない。

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 東京電力福島第一原発事故から10年となる3月11日夕。無人駅のホームに滑り込んだ列車に乗降客はなかった。桜並木で有名な西口の一部は2017年に避難指示が解除されたが、東口側の一帯は帰還困難区域のままだ。

 「理想郷」は東口のすぐ近くにある。店主の増田健司さん(54)が経営する商店が隣にあり、立ち入りが出来ないように銀色の鉄格子に囲われている。

店名に込めた父の願い

 理想郷は増田さんの父、故忠…

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