聖火リレー、岐阜県内2日目を完走 義足のダンサーら

山下周平 戸村登 松永佳伸
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 東京五輪聖火リレーは4日、県内での2日目を迎えた。温泉街で知られる下呂市をスタートしたランナーは雨の中、関ケ原町大垣市などを巡り、ゴールの岐阜市へ。シドニー・オリンピック金メダルの高橋尚子さんらが同市内を走り、2日間のリレーを締めくくった。

下呂

 2日目のスタート地点となった下呂市では、地元出身で「義足のダンサー」として知られる大前光市さん(41)が第1走者を務めた。

 23歳の時、交通事故に遭い、左足のひざから下を失った。絶望した時期もあったが、ダンスを続けたいとの思いをあきらめず持ち続けた。鍛え上げた身体をしならせ踊るコンテンポラリーダンスで注目された。2016年のリオデジャネイロ・パラリンピックの閉会式ではソロで踊った。

 沿道から「コウちゃん、がんばれー」などの声に大前さんは手を振って応えていた。「聖火は希望の光。この光を照らすことで、みなの希望や思いが花開いてほしい」と話した。

 大前さんからつながれた聖火は下呂温泉の温泉街を通り抜け、沿道の旅館の窓から聖火ランナーに手を振る宿泊客らの姿も見られた。(山下周平)

関ケ原

 聖火リレー岐阜県内2日目第3区間の関ケ原町では、強い雨が降り続く中、10人の聖火ランナーがトーチを手に走った。

 国史跡「関ケ原古戦場」の石田三成陣地(同町関ケ原)付近で開かれた「ミニセレブレーション」には、町内の最終ランナーで俳優の山本耕史さん(44)が登場。山本さんは、NHK大河ドラマ「真田丸」で三成役を務めた。

 山本さんは「あいにくの雨ですが、合戦のときもこういった天気だったようで、それがよみがえった感じがしてむしろ武者震いです」。聖火リレーについては「人から人へと思いが伝わっていくもの。参加させてもらうことがうれしく、光栄に思う。この火を未来に向けて手渡していければ」と意気込みを語った。

 トーチの火を受け取った山本さんは、関ケ原鉄砲隊の祝砲を合図に、笹尾山頂に向かって走り出した。(戸村登)

大垣

 大垣市では、県実行委員会推薦で選ばれた最年少の同市立東中学2年、永松亜舞子(あまね)さん(13)が雨の中を元気に走り切った。

 永松さんは生まれた時、630グラムしかない極低出生体重児だった。生まれてから退院するまでに約5カ月もかかった。

 それでも幼い頃、オリンピックをテレビで見て「いいなあ」と思った。トーチを持って走る聖火ランナーにも「カッコイイ」と憧れていた。「今回、まさか自分に走るチャンスが来るとは思ってもいなかった」

 本番直前、母親の悦子さん(51)は「何かやらかさなければいいけど。とにかく元気に走ってくれれば」と心配そうに見送った。

 沿道からの応援に笑顔で応えた永松さんは「これまで助けてくれた人に成長した姿を見せられてよかった。感謝の気持ちを込めて走ることができました」とはにかんだ。(松永佳伸)