木村花さんを侮辱した容疑、男を書類送検 2人目の立件

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 フジテレビの恋愛リアリティー番組「テラスハウス」に出演し、昨年5月に命を絶ったプロレスラー木村花さん(当時22)をインターネット上で中傷したとして、警視庁は5日、福井県の30代の男を侮辱容疑で書類送検し、発表した。

 容疑を認め、「誹謗(ひぼう)中傷が多く投稿されているのを知って自分も投稿した」と話しているという。木村さんへの中傷をめぐり立件されたのは2人となった。

 捜査1課によると、男は昨年4月上旬ごろに計4回、木村さんのツイッターに「死ねや、くそが」「きもい」「かす」などと書き込み、木村さんを公然と侮辱した疑いがある。匿名で投稿していたという。

 木村さんは共演者に怒りを見せた場面が放送された昨年3月以降、SNSに「生きてる価値あるのかね」「いつ死ぬの?」といった中傷が書き込まれるようになり、5月23日に亡くなった。遺族によると、3月は明るく振るまっていたが、5月中旬に様子が変わった。慰めると、「出演者を人間と思ってない」などと答えたという。

 警視庁は遺族からの告訴で捜査を始め、昨年3~5月に木村さんについて書き込まれた約1200件の投稿を確認。約30件(10アカウント)が特に悪質で侮辱罪に当たる疑いがあるとみて投稿者の特定を進め、このうち大阪府の20代の男を昨年12月に侮辱容疑で書類送検した。男は今年3月、略式起訴され、科料9千円を納付した。

 遺族は番組について昨年9月、放送倫理・番組向上機構BPO)に審理を申し立て、BPOの放送人権委員会は今年3月、「放送倫理上の問題があった」と認定した。ただ、木村さんへの精神的ケアなど一定の対応が行われた上で放送が判断されたことがうかがえるとして、人権侵害があったとまでは断定できないとした。

 男が書類送検されたことを受け、木村さんの母響子さんは5日、弁護士を通じてコメントを発表した。全文は次の通り。

     ◇

 コロナ禍の中で、捜査機関によるIPアドレスの開示請求に時間がかかってしまっているうちに、SNS事業者が非協力であったこともあり、証拠であるログがどんどん消えていってしまいました。藁(わら)をもすがる気持ちでアメリカのディスカバリー制度で開示を進めてまいりました。

 悪質なアカウントの全てではないのが残念ですが、これまで動いてくださった各機関の皆様には感謝いたします。また、木村花のグッズの利益をディスカバリー制度に関わる費用に充てさせていただきました。ご協力してくださった皆様に心から感謝いたします。

 私は、無責任な書き込みで追いつめられてしまうことがないよう、SNS事業者の協力、そして長期間にわたりログを保存する必要性を痛感しております。