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 幼い息子を抱えてシングルマザーになった女性に寄り添ってくれたのは、同じように幼子を1人で育てる交際相手。「父親になる」との言葉を信じ、同居していた東京都江東区のタワーマンションに息子を残して海外に出張した。だが、帰国すると息子の姿は集中治療室にあり、まもなく亡くなった。逮捕された交際相手と法廷で対峙(たいじ)した女性が繰り返したのは、深い後悔と息子への思いだった。本当にごめんなさい――。

 今年の2月24日、初公判を迎えた被告の男(36)は黒いスーツに青いネクタイ姿で東京地裁の法廷に現れた。交際していた30代の会社員女性は被害者参加制度を使って裁判に参加し、被告と反対側の検察官の後ろに座った。ついたてが置かれ、傍聴席から女性の姿は確認できない。

 被告が問われたのは、女性が「リュウちゃん」と呼ぶ3歳の男の子への傷害致死罪だった。検察官は「被告は2019年9月27~28日、東京都江東区のマンションで、リュウの腹部に強い打撃を与える何らかの暴行を加え、翌29日に失血死させた」という起訴状を読み上げた。

 対する被告は全面的に無罪を主張した。「リュウが(風呂で)おぼれているのを見つけ、おなかを両手で押して水を吐かせました。その後抱きかかえ、支えていた左手がおなかに食い込んでしまったかもしれません。すべてリュウを助けるためにした行為です」

 密室で起きたのは事件なのか事故なのか。検察側と弁護側の攻防が始まった。

    ◇

離婚3回、子ども6人…数々の異変

 2人の出会いから事件に至るまでの経緯は、女性が証人尋問の形で証言した。

 18年6月、女性はリュウ君を連れ、夫と暮らす埼玉県の家を飛び出るように出て神戸市に移った。離婚協議中だった同年10月、マッチングアプリで知り合ったのが被告だった。

 検察官「離婚成立前にアプリを使ったのはなぜ?」

 女性「環境が変わったリュウち…

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