祇園の老舗和菓子店の器 つくったのは「すごい人」

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高井里佳子
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 約300年の歴史を持つ京都市東山区の老舗和菓子店「鍵善良房(かぎぜんよしふさ)」が、美術館を開いた。展示するのは、実際に使ってきた容器など、これまで店では脇役だった品々。実は、すごい人が作ったものなのだ。

 四条通に面した本店から歩いて3分ほど。祇園町南側にできたのが、美術館「ZENBI」だ。木造2階建ての館内に三つの展示室。元々は、先代の住居などがあった場所を作り替えた。

名物のくずきり 螺鈿の細工

 「祇園町は、多くの文化人が集った場所だったことを伝えたかった」。いまの15代当主の今西善也(ぜんや)さん(48)は、そう話す。

 展示されているのは、和菓子の一つ、くずきりを入れる螺鈿(らでん)の容器や菓子重箱など約40点。くずきりの容器は「鍵」「善」「良」「房」が一文字ずつ入っており、祇園町の茶屋への配達に使われたものだ。重箱は料理屋に注文を取りに行く際、和菓子の見本を入れていたという。

 これらの作品を手がけたのは、黒田辰秋(1904~82)。1970年に「木工芸」の分野で初の重要無形文化財保持者(人間国宝)となった人物だ。

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