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「くすりの富山」ブランドに傷 容易でない信頼回復の道

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波多野陽、野田佑介
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 ジェネリック医薬品製造大手の日医工(富山市)が薬剤の出荷試験などで法令違反を長年繰り返していた。業界では、小林化工(福井県あわら市)の不正も重なり、信頼は大きく揺らいでいる。

 5日、日医工の業務停止期間は終わったが、「くすりの富山」のブランド回復の道は容易ではない。

 国内最多の薬局を抱える東京都薬剤師会は3月中旬に会員向けにアンケートを実施。2千超の回答のおよそ半数を集計した中間報告では、日医工製品について、27%が「すべて他社製品に変更した(する予定)」と回答。「一部のみ変更」を加えると、変更は83%に達した。患者の反応についても「後発薬全般に対する不信感により、先発薬への変更を求められた」との回答が26%と最多だったという。同会は近く最終結果をまとめる。

 富山県病院薬剤師会の麻生美佐子副会長も「薬剤師も各病院でジェネリックの推進者だった。『安全だ、先発薬と同じだというのはうそだったのか』と、患者や医師から厳しい指摘を受けている」と説明する。

 売薬の伝統を誇る富山県には、約100の製薬関連の製造所がある。2018年の医薬品生産金額は6246億円で全国2位、人口1人当たりでは同1位となる基幹産業だ。

 信頼回復は業界にとっても、行政にとっても急務で、県薬事審議会に専門部会を設け、議論を始めた。

 席上、県薬業連合会長を務める中井敏郎・東亜薬品会長は「富山の医薬品は高い品質を評価されてきた自負があっただけにショックだ。業界を再編成する気持ちで乗り切りたい」と力を込めた。一方、取材にこう漏らした。「この逆風はあまりにも強すぎる」

「一連のことは起こるべくして起きた」

 富山県が、日医工に抜き打ち調査に入ったのは昨年2月。水面下で調査をしていた間、業界を揺るがす事故が起きた。

 12月、小林化工の水虫薬を…

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