がんドクターが「カレーを研究するぞ」 その理由は

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野中良祐
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 「カレーだ!カレーを研究するぞ」

 こんなセリフで幕を開ける「カレー物語」という漫画がある。描かれているのは料理人ではない。秋田大学でがんを研究している柴田浩行教授がカレー研究に目覚め、のめり込み、くじけ、希望を抱くストーリーだ。2020年から研究室のウェブサイト(http://www.med.akita-u.ac.jp/~medonco/files/curry-stories.pdf別ウインドウで開きます)で公開している。カレーとがん、どんな関係があるのだろうか。

 柴田さんは研究だけでなく、腫瘍(しゅよう)内科医として、秋田大病院でがん患者の診療もしている。がん治療は大まかには、外科手術で切除し、放射線を照射し、治らずに再発した場合には抗がん剤を使う。腫瘍内科で扱うのは抗がん剤だ。「がんというストーリーの終わりの方を診ている」。がんが進んだ患者を診ている中で、「もっと早い段階から、がんを予防する方法があればいいのに」と感じることも多かった。

 そこで、がんを抑える遺伝子の研究を始めた。遺伝子が働くとがんが起きやすくなったり、逆に働かないことでがんが起きやすくなったりする「がん関連遺伝子」はメジャーな研究対象だ。柴田さんも特定の遺伝子の異常が、がん発症に関わっていることを突き止め、90年代に論文発表した。

 順当な研究キャリアを積んでいた柴田さんがカレーと出会ったのは03年。ふと手にとった科学誌が、食品成分の効能を特集していた。カレーの黄色をつくるターメリック(ウコン)に含まれるクルクミンが、研究対象の遺伝子の異常な作用を抑える効果があるとされていた。

 薬学系の研究室と協力し、ク…

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