米財務長官、多国籍企業への法人税引き下げ防止呼びかけ

ワシントン=青山直篤
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 イエレン米財務長官は5日の講演で、多国籍企業に対する法人税の引き下げ競争を止めるため、企業が最低限負担する税の水準の導入を呼びかけた。税率などの枠組みについて「合意できるよう主要20カ国・地域(G20)と取り組んでいる」と述べ、7日にオンライン形式で開くG20財務相・中央銀行総裁会議でも議題となる見通しだ。

 バイデン米大統領は3月31日、8年間で2兆ドル(220兆円)超のインフラ投資案を発表。その財源として、タックスヘイブン租税回避地)で税逃れを図る多国籍企業の利益に対する「グローバルミニマム税」を強化するという方針を示していた。

 日米など主要国はこれまで、企業が労賃の低い国やタックスヘイブンへと移転するのを防ごうと、法人税を引き下げてきたが、イエレン氏は「法人課税の『底辺への競争(切り下げ競争)』を止める」と強調。「グローバルミニマム税を協調して導入することで、多国籍企業が公平に競う舞台を整え、世界経済の繁栄につなげることができる」と述べた。

 イエレン氏は、法人減税が進んでも、コロナ危機前から米企業は成長投資を怠っていたとみており、多国籍企業の増税と大規模な財政出動を通じた格差是正を訴えている。(ワシントン=青山直篤)