小中学校の教員不足、文科省が実態調査 全自治体を対象

伊藤和行
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 新年度に担任教員らが不足している小中学校があるとして、文部科学省は教員を採用する都道府県などの全自治体を対象に実態調査を始める。小学校教員の採用倍率が過去最低になるなど教員不足は深刻な課題になっており、文科省は調査結果をもとに、採用のあり方を検討する。萩生田光一文科相が6日の閣議後会見で明らかにした。

 萩生田氏によると、新年度が始まるのを前に、小学校の学級担任が足りず、教頭らが担任を兼務せざるを得ない事例が報告されている。文科省は調査で、小学校の学級担任や中学校の教科担任の不足数、その要因、学校ごとの取り組みなどを聞き取り、結果を分析する。

 文科省によると、昨年度の採用倍率は全国平均で小学校教員が2・7倍と過去最低で、中学校教員は5・0倍と前年度を下回った。長時間労働や精神疾患を患う教員の増加など、働く環境の悪化がなり手不足の要因となっている。10年に1度、教員免許を更新するため30時間以上の講習を受けなければならない教員免許更新制度により、意図せず免許を失効してしまうなどの弊害も指摘されている。

 一方、4月から小学校の1学級の児童数の上限が40人から35人に段階的に引き下げられ、全学年で35人以下となる25年度までに新たに計約1万3千人の教員が必要になると推計されている。萩生田氏は「新年度に担任の先生がいないという事態を今後生むことがないよう、教員採用のあり方も検討したい」と話した。(伊藤和行)