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 北朝鮮が新型コロナウイルスを理由に東京五輪の不参加を表明した。感染対策が不安視されるなか、大会関係者は不参加の動きが広がることを警戒する。北朝鮮側との接触の機会が失われ、日韓からは落胆の声も出ている。

 日本側は先月末、海外観客の受け入れ断念を表明したばかり。国際オリンピック委員会(IOC)に加盟するすべての国・地域が参加するという理想も実現せず、1年前、安倍晋三前首相が大会延期を決める際に表明した「完全な形での開催」は、さらに遠のく形となった。

 北朝鮮の突然の不参加宣言に、政府内では困惑の声が広がった。丸川珠代五輪相は6日の記者会見で「どういう事情かよくわからないので、何とも言えない」。官邸幹部は「政府に連絡はない。何があったのか分からない」と話した。

 昨春は、カナダなどが選手団を派遣しない方針を表明したことで、1年延期への流れができた。だが、北朝鮮は国際舞台でスポーツに大きな影響力を擁しているわけではなく、五輪開催への影響については限定的との見方が強い。官邸幹部は「開催や運営には関係ない」と話した。

 しかし、日本国内で新型コロナの感染は下火にならず、ワクチン接種のペースも上がっていない。大会開幕まで100日あまりとなる中、複数の大会関係者は「コロナ対策の課題は、山積している」と指摘する。

 組織委は2月から、各国・地域のオリンピック委員会(NOC)と定期的にオンラインで面談し、質問に答えているが、検査の詳細な実施頻度や日本入国への手続きなどは決まっていない。大会運営を確認するテスト大会では今月、国際水泳連盟が日本側の対応に不満を示し、飛び込みなどが予定通り開催できない可能性がある。

 大会関係者は「コロナ対策の具体策を速やかに決めてNOCの不安を取り除かなければ、参加を断念する動きが広がりかねない」と警戒する。(小野太郎、前田大輔)

 北朝鮮は東京五輪への不参加の理由を「世界的な保健医療危機の状況から選手を保護するため」としている。脱北者を通して北朝鮮の情報を集める韓国の専門家は「決定の直前まで参加するかどうか悩んでいたようだ。やはり新型コロナウイルスへの警戒を第一に考えたのだろう」とみる。

見え隠れする、融和ムードの拒否

 新型コロナに対応する医療体制が不十分な北朝鮮にとって、大勢の選手団の出入国はリスクが高い。長引く経済制裁と新型コロナ流入を防ぐ中朝国境封鎖で、食糧や日用品の不足も目立ってきている。韓国政府高官は「今は五輪のような国外のイベントに力を割く余裕はなく、内部の結束に集中することを優先した」と分析する。

 米バイデン政権が新しい対北朝…

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